【ブログ】活動報告:Midi et Demi コンサートを終えて
3月18日にサル・コルトーにて行われたイレーヌ・クデラ氏のクラス研究発表会に出演しました。
「Concerts Midi et demi 」は、12時30分(midi et demi)に開演される昼のコンサート・シリーズで、約1時間というコンパクトな形式の中で、若手音楽家を中心に多様なプログラムが紹介される演奏会です。
本公演は、クデラ先生のクラスによる研究発表会として行われたものです。クデラ先生は、世界的に活躍されているピアニスト兼コレペティトゥール・言語コーチであり、パリ・オペラ座をはじめとする世界各地の主要歌劇場でご指導にあたっていらっしゃいます。
本コンサートには、10名のピアニスト、12名の歌手、そしてクラリネット奏者1名が出演し、多彩なプログラムが披露されました。
今回は、クデラ先生の門下生であるピアニスト、美世真理奈さんと、山田耕筰作曲《幽韻》より
「はなのいろは」「わすらるる」「たまのをよ」の三曲を演奏いたしました。
山田耕筰は、日本における西洋音楽の基礎を築いた作曲家の一人であり、日本語の抒情性と西洋的な和声・形式を融合させた歌曲によって知られています。《幽韻》は和歌に付曲された作品で、日本語の響きや余韻を大切にしながら、繊細な感情や詩的世界を音楽として描き出しています。譜面上では複雑なリズムや和声が用いられ、現代音楽を思わせる側面もありますが、実際の響きは日本の伝統的な楽器を想起させるような音色を持ち、日本人特有の感性や穏やかな情熱を感じさせる作品です。
リハーサルの際、クデラ先生から「日本歌曲を歌うということは、あなたたち自身が日本のアンバサダー(ambassadrices)であるということ。日本人らしさを心を込めて届けなさい」とのお言葉をいただきました。その言葉を胸に、作品の持つ繊細な美しさや内面的な情感を、できる限り真摯に表現することを心がけて舞台に臨みました。
フランスの聴衆の前で日本歌曲を紹介するにあたり、言葉が伝わらない中でも、言葉の響きや詩の持つ繊細なニュアンスをどのように伝えるかを改めて考える機会となりました。今後も、日本の作品を大切にしながら、その魅力をより多くの人々に届けていきたいと思います。





